なぜ自作するのか(市販品ではダメ?)

市販のシェルター(コルクチューブ・ウェットシェルター・素焼きハウスなど)はもちろん優秀です。うちは市販品を試したことはなく、最初から自作で始めました。「子供と一緒に作ってみるか」というノリで始めたのですが、結果的にそれが正解でした。自作には自作にしかない利点があります。

自作シェルターの4つの主なメリット

自作の主なメリット
・サイズを自分のカナヘビに合わせられる(市販はSサイズでも大きすぎることがある)
・材料費が安い(ダイソーの粘土1個=110円)
・壊れたら作り直せる。失敗のコストが低い
・愛着が湧く(これは地味に大事)

市販品では拾えない「サイズ感」を自作で調整

特に「サイズ感」は大きいです。市販の小型シェルターでも、生まれて数ヶ月の幼体や小ぶりな成体には少し大きいことがあり、入口が広すぎて落ち着かないという個体も少なくありません。自作なら入口の幅も奥行きも、目の前のカナヘビに合わせて調整できます。

用意するもの

うちの材料リスト:粘土・水・道具

品目うちで使ったもの備考
粘土100均の木粉粘土(木の粉を固めた、乾かすと固まるタイプ)1個のシェルターなら1袋の半分も使わない
作業場所新聞紙やクッキングシートを敷いた机粘土は意外と粉が出る
水少量(指を湿らせる用)表面をなめらかにするとき使用
道具基本は手のみ必要なら丸い棒や定規で内側を整える程度

型・焼成・塗装は不要、子供の工作レベルで作れる

型も焼成も塗装も不要です。「DIY」と聞くと身構えるかもしれませんが、子供の工作レベルの手間で十分作れます。うちでは実際に子供と一緒に半日くらいで作りました。YouTubeで作り方を見て真似したのがきっかけです。

サイズの目安

うちのサイズ:20cm × 10〜15cm × 高さ5〜10cm(底なしドーム型)

うちで作ったシェルターは、全体で20cm × 10〜15cm × 高さ5〜10cmほど。成体のニホンカナヘビ(全長20〜25cm)が体を伸ばして中に入れて、向きを変えられる程度の広さです。ちなみにうちのは「底なし」のドーム/トンネル型で、床材の上にそのまま被せるように置いて使っています。底がないぶん内側が直接ヤシガラの感触になるので、カナヘビも落ち着きやすい印象です。

サイズを決めるときの4つの考え方

サイズを決めるときの考え方
・カナヘビが全身を隠せること
・中で向きを変えられること
・入口は体幅+1〜2cm程度(広すぎると落ち着かない)
・高さは背中が天井に少しかすめるくらい(高すぎると「隠れた感」が出ない)

「ちょっと窮屈」が正解:ぴったり身を潜める感覚

カナヘビは「ぴったり身を潜める」感覚に安心感を覚えるようなので、大きすぎるシェルターより、ちょっと窮屈なくらいのほうが好まれる印象があります。

作り方の手順

全6ステップで完成(粘土こね〜自然乾燥2日)

1
粘土を取り出してこねる
袋から取り出した粘土を、ひび割れがなくなる程度に手でこねます。最初は少し固く感じますが、手の温度ですぐに柔らかくなります。うちが作ったのは1個だけで、袋の半分も使いませんでした。
2
粘土を棒状にする
粘土を細長い棒にします。うちは最初、ドーム型を一体で作ろうとしましたが、粘土には骨組みがないので途中でよく崩れました。棒を重ねて壁を積む方法に変えてから、形になりました。
3
棒を重ねて壁を作る
棒状の粘土を丸太小屋のように重ねて壁を立てます。底板は作らず、床材の上に置く「かぶせる」形。入口は片側を空けておき、カナヘビの体幅+1〜2cmくらいの開口にします。入口の縁はなめらかにしておくと、出入りで体をこすりません。
4
上に板状の粘土を載せて屋根にする
粘土を平らに伸ばして板にし、壁の上に載せて屋根にします。うちは屋根の上に水を置くお皿も作ってみましたが、水がすぐ漏れて結局使いませんでした。湿度は霧吹きで補えば十分だったので、屋根は平らでかまいません。
5
表面を整える
指先を少し湿らせて、表面をなでるとなめらかになります。逆に「ザラっとした自然な質感」を残したい場合はそのままでもOK。棒と棒のつなぎ目は指で押さえてなじませておくと、乾いたあとに崩れにくくなります。
6
自然乾燥させる(約2日)
平らな場所に置いてそのまま2日ほど放置。途中で動かしたり持ち上げたりすると割れの原因になるので、置きっぱなしが鉄則です。完全に乾くと軽く叩くとコツコツと固い音がします。
急いで乾かそうとしない
暖房やドライヤーで強制乾燥させると、表面と内部の乾き方の差で割れやすくなります。室温で2日待つのが結局いちばん確実です。

【実体験】3年使ってみての所感

3年間メイン運用で割れも崩れもなし

3年間、自作シェルターをメインに使い続けてきました。割れたり崩れたりすることもなく、うちのカナヘビたちも普通に出入りしてくれています。

詳細レポート:棒を重ねた壁+板の屋根。お皿は結局使わず

最初は「100均の粘土なんかで大丈夫かな」と思ってましたが、乾けばちゃんと固くなって、カナヘビの体重程度ではびくともしませんでした。何より、目の前の個体に合わせて入口の幅を決められるのが想像以上に良かったです。市販品だと「ちょっと大きいな」「入口が広すぎるな」と感じることがあったのですが、自作ならそれがゼロ。

うちのは棒状にした粘土を重ねて壁を作り、上に板状の粘土を載せた屋根のつくり。作っている途中は骨組みがないのでよく崩れましたが、この形にしてからは持ちました。底板がないぶん中の地面は床材そのもので、カナヘビにとっては掘る/潜るのも自由。ここが気に入っていたポイントです。

正直に書くと、屋根の上に水を置くお皿も作ってみたのですが、水がすぐ漏れて結局使いませんでした。湿度は霧吹きで補い、それで困ることはありませんでした。焼成していない粘土製の宿命とも言えるので、「きちんと作ればいけそう」とは思いつつ、そこは割り切りました。

見た目もほんのり手作り感があって、ケージの中で悪目立ちもしませんでした。
木粉粘土で自作したカナヘビ用シェルター(棒状の粘土を重ねた壁と板の屋根)
うちで使っていた自作シェルター。100均の木粉粘土を棒状にして重ね、板の屋根を載せて自然乾燥2日。

使う上での注意点

注意点①:上に水を置く「お皿」は水が漏れる(うちは使うのをやめた)

屋根の上のお皿は水が漏れます
木粉粘土は焼成していないため水を止められず、お皿に水を張るとすぐに下へ染みて、シェルターの中や床材に落ちます。うちも作ってはみましたが、結局使わずに霧吹きで湿度を補いました。それで困ることはなかったので、無理にお皿を作る必要はありません。
どうしても水を置きたい場合は、粘土に直接ではなく小さな別の器を屋根に載せるほうが確実です。

注意点②:本体に水を長時間つけない

水に長時間つけない(本体部分)
上のお皿以外の本体も、長時間水に浸かると徐々に柔らかくなる可能性があります。水入れをシェルター本体の真横に寄せすぎないようにして、水入れと本体が直接触れない位置に配置しましょう。

注意点③:湿りやすい場所に置きっぱなしにしない

湿りやすい場所に置きっぱなしにしない
ケージ内の湿度が高い側に長く置くと、表面に汚れが溜まりやすくなります。気になったら一度ケージから出して、表面の汚れを乾いた布で軽く拭くだけでもだいぶ違います。

定期チェック3項目(ひび・汚れ・出っぱり)

定期的なチェックは忘れずに
・入口の縁にひびが入っていないか
・内側や縁に汚れが付いていないか(底なし型なので下の床材も一緒に確認)
・カナヘビが体をこすって傷つけそうな出っぱりがないか
気になる点が出てきたら、無理に使い続けず作り直してOKです(材料費110円の強み)。

市販シェルターとの比較

自作 vs 市販コルク vs ウェットシェルター(比較表)

項目自作(木粉粘土)市販コルクチューブ市販ウェットシェルター
価格◎ 約110円○ 300〜500円△ 1,000〜1,500円
サイズ調整◎ 自由△ 既製品サイズ△ 既製品サイズ
耐久性○ 通常使用なら十分◎ 高い◎ 高い
水濡れ耐性△ 長時間はNG(お皿は少量運用)◎ 強い◎ 強い(むしろ水を入れる)
湿度キープ機能○ 上部お皿で湿度アップ(水漏れに注意)×◎
見た目の自然さ○ 手作り感あり◎ ナチュラル○
作る/買う手間△ 2日待つ◎ 買えば即◎ 買えば即

うちの結論:自作メインで回せていた

個人的な結論としては、「メインのシェルターは自作(上のお皿で湿度も兼ねる)」で回せています。どうしても脱皮不全が気になる個体が出たときだけ、市販のウェットシェルターを追加投入する——くらいのバランス感です。

正直に書いておく:市販未使用なので比較は仮説

★正直に書いておきます:市販シェルターを使ったことがないので「比較」は仮説です
うちは最初から自作で、市販品を使った経験はありません。なので上の比較表は「市販品の一般的な評価」をもとに書いた参考情報です。実際に自作で気になっているのは、上のお皿に水を入れすぎたときの水漏れくらい。少量運用であれば問題なく回っていますが、ガッツリ水を入れたい場合はウェットシェルター(市販)のほうが安心かもしれません。

よくある質問

木粉粘土はカナヘビに無害ですか?

乾燥後の木粉粘土は安全に使える素材です(粘土製品は子供の工作にも使われるもの)。ただし乾燥前の柔らかい状態のものをカナヘビが口にしないよう、必ず完全乾燥させてからケージに入れてください。塗料やニスは塗らないのが安心です。

乾燥に2日もかかるのは長くないですか?

急いで乾かすと割れやすくなるため、結果的に2日待つのがいちばん確実です。どうしても急ぐ場合は、薄めの形状にして表面積を稼ぐと多少は早く乾きます。ただし強制乾燥(ドライヤー・暖房直射)はおすすめしません。

作ったシェルターをカナヘビが使ってくれません

新しいものを警戒している可能性があります。数日間そのまま放置しておくと自分のニオイがついて使い始めることが多いです。それでも使わない場合は、入口が広すぎる/設置場所が明るすぎるなどの可能性も。クールスポット側の暗めの位置に置くと使ってもらいやすいです。

どのくらいで作り直しましたか?

うちは作ったのは1個だけで、3年間、作り直していません。完成後は割れも崩れもなく、思っていたよりもずっと長持ちしました。