1. 主な床材の比較
| 床材 | 保湿性 | 誤飲リスク | 掃除のしやすさ | コスト |
|---|---|---|---|---|
| キッチンペーパー | 低 | ほぼなし | とても簡単 | 安い |
| ペットシーツ | 低 | 低(端の誤飲注意) | 簡単 | 安い |
| ヤシガラ土(ナチュラル) | 高 | 中(幼体に注意) | やや手間 | 中 |
| デザートサンド | 低〜中 | 高(特に幼体) | 手間がかかる | 中 |
| 人工芝 | 低 | 低 | 洗えば再利用可 | 中 |
2. おすすめの床材と特徴
初心者・幼体:キッチンペーパー/ペットシーツ
安価で交換が簡単。誤飲のリスクがほぼなく、排泄物が見やすいため健康管理がしやすいです。見た目は地味ですが、最初の1年は迷わずこれ一択でOKです。
慣れてきたら:ヤシガラ土(ナチュラル)
自然に近い環境を再現でき、穴を掘る行動も観察できます。湿度保持にも優れています。成体になってから少量ずつ試すのがおすすめです。
見た目重視:人工芝
繰り返し洗って使えるため長期コストが低めです。見た目もナチュラルで飼育レイアウトとの相性が良いです。ただし保湿力は低いため、ウェットシェルターと組み合わせて使います。
【実録】うちで実際に使ってきた床材と、替えた理由
参考までに、うちのニシアフ(おはぎ)の場合を書いておきます。お迎えからのあいだに何度か替えて、いまはペレットに戻っています。
①バークチップ(お迎え直後)→ ②ペレット → ③デザートソイル → ④ペレット(いま)
ソイルにしてみたら、掘るようになりました
デザートソイルに替えたとき、はっきり変わったことがあります。掘って山を作るようになりました。シェルターの入口に土を盛り上げて、その陰から顔だけ出していることがあります。ペレットのときには見なかった動きです。
それでもペレットに戻した理由
掘る姿は見ていて楽しかったのですが、結局ペレットに戻しました。理由は2つです。
1つは、腸に詰まるのが怖かったから。細かい粒より、大きくて長いペレットのほうが飲み込みにくいだろう、と考えました。
もう1つは、竹だけでできたペレットを使えるようになったから。余計なものが入っていない天然の素材だけ、というのが安心でした。(ペレット状の床材は、猫のトイレ用として売られているものを流用するのが一般的です。木のもの、竹のもの、ヒノキのものなどがあります)
危ないと言われているのは「カルシウムサンド」のほうでした(次の章に書きますが、あれは胃薬と同じ成分です)。デザートソイルは天然の砂と粘土を混ぜたもので、まったくの別もの。同じ「粒の床材」というだけで、ひとくくりにして怖がっていました。
一方で「小さいうちは危ない」のは本当でした。海外の飼育情報では生後6ヶ月・体重30gあたりが、粒の床材に切り替えてよい目安とされています。幼いうちは餌を狙って外し、床材ごと口に入れてしまうからだそうです。
つまり、勘違いのままペレットに戻したことになります。ちょっと恥ずかしい話ですが、そのまま書いておきます。竹だけのペレットも気に入っているので、いまはこのままいくつもりです。うちの子は変わらず元気です。
・どれが一番いいかは、正直まだ分かりません
・掘らせたいならソイル、飲み込みが心配ならペレット、という選び方はできます
・どちらにしても「餌は皿で」「カルシウムを切らさない」はセットで
・替えるときは全部いっぺんにせず、様子を見ながら
3. 誤飲(詰まり)のリスク — 日本と海外で、言われていることが違います
床材の話でいちばん心配されるのが「飲み込んで、お腹に詰まってしまうのでは」という点です。ここを調べていて驚いたのですが、日本でよく言われていることと、海外でよく言われていることが、かなり食い違っています。どちらか一方だけ書くのは不誠実だと思うので、両方そのまま並べます。
日本でよく言われていること
「砂やソイルのような粒の床材は、飲み込むと腸に詰まる。だから避けたほうがいい」。とくに小さいうちは使わず、キッチンペーパーを敷くのがいい——という説明を、日本語の飼育情報ではよく見かけます。
海外でよく言われていること
ところが英語圏の飼育情報では、ここ数年で見方が変わってきています。「粒の床材が詰まりを起こす」という話は根拠のない言い伝えだとされていて、詰まりの本当の原因はこの3つだと説明されます。
- 温度が足りていない(体が温まらないと消化できません)
- 水が足りていない
- 寄生虫がいる
そのうえで「元気な子は詰まらない。体調を崩している子は、キッチンペーパーでも虫の殻でも詰まる」という言い方をします。
それどころか、海外ではキッチンペーパーのほうが批判されています。「病院で預かるときはいいが、ふだんの飼育には向かない」と。湿度が保てないうえ、掘るという生き物本来の動きができないから、という理由です。
ニシアフはもともと湿り気の要る子なので、なおさら「土を敷いて掘れるようにしたほうがいい」と書かれていることが多いです。
ついでに:海外の飼い方を覗いてみたら、だいぶ違いました
調べているうちに、海外(主に英語圏)の飼い方が日本とかなり違うことに気づいたので、面白かったところをいくつか書いておきます。
①土を深く敷きます。ニシアフのケージには7〜15cmほど土を入れて、自由に掘って潜れるようにするのが良いとされています。日本の感覚だと「そんなに?」という深さです。うちのソイルは2cmくらいでした。
②床材に虫を住まわせます。「バイオアクティブ」と呼ばれる方法で、土の中にワラジムシやトビムシといった掃除役の小さな虫を一緒に住まわせて、フンや食べ残しを分解してもらうやり方です。うまく回ると床材の交換がほとんど要らなくなるそうで、海外ではこれが1つの理想形として語られています。(ちなみに日本のイベントでも、ワラジムシ専門のブースを見かけたことがあります。ああいう需要だったんですね)
③雨季と乾季を作ります。ニシアフの故郷・西アフリカに合わせて、春〜秋は湿度70〜80%、冬は50%前後と、1年の中で湿度を変えるのが良いとされています。一年中同じ湿度に保つのではなく、季節でメリハリをつける考え方です。
どれも「へえ」と思う一方で、日本の住宅事情でそのまま真似できるかは別の話です。15cmの土を入れたケージは相当重くなりますし、虫を飼うのに抵抗がある人もいると思います。真似するかどうかは別として、「そういう世界もある」と知っておくと、床材選びの視野が広がる気がします。
で、どちらが正しいのか
うちには判断できません。獣医でもありませんし、どちらの言い分にもそれなりの理屈があります。ここで「こっちが正解です」と言い切るのは、たぶん嘘になります。
ただ、両方に共通して言われていることがあります。そこだけ押さえておけば、そんなに神経質にならなくていいのではないか、といまは思っています。
・餌は皿か別の容器で与える(床材の上に直接置かない)
・カルシウムを切らさない(足りないと床材を舐めることがあります)
・温度を下げすぎない(低いと消化できません)
・水を切らさない
・食欲が落ちた/フンが何日も出ないときは、早めに病院へ
逆に言えば、床材の種類だけを見比べても答えは出ないのかもしれません。温度も湿度も餌の与え方も含めて、まとめて1つのこととして考えるものなのだと思います。
ただし、これだけは両方が「やめたほうがいい」と言っています
カルシウムサンドです。これは日本でも海外でも一致して避けるよう言われていて、しかも理由がはっきりしています。
さらに味がついていて、食べるように仕向けている商品もあります。舞い上がった粉を吸って、目や気管を痛めることもあると言われます。
「食べても安全」とうたわれていることがありますが、同じ「砂」でも、これは別ものとして扱ったほうがよさそうです。
- 餌やりは別の容器で(サプリの粉が床材に落ちると、一緒に口に入りやすくなります)
- 床材が古くなってカビが生えていたら、すぐ交換(お腹をこわす原因になります)
- 初めての種類に替えるときは、いっぺんに全部替えず、様子を見ながら
4. 交換頻度と清掃方法
| 床材の種類 | 交換・清掃の目安 |
|---|---|
| キッチンペーパー | 排泄のたびに交換。全体は週1回 |
| ペットシーツ | 汚れたら即交換。週1〜2回 |
| ヤシガラ土 | 排泄部分をスコップで取り除く。全量交換は月1回 |
| 人工芝 | 週1回、水洗いして天日干し。2枚交互に使うと便利 |