ニホンカナヘビの基本情報
ニホンカナヘビ(学名:Takydromus tachydromoides)は、日本固有のトカゲの一種です。公園や草むら、庭先など身近な場所に生息しており、日本人にとって最も親しみ深い爬虫類のひとつと言えるでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | 有鱗目 カナヘビ科 カナヘビ属 |
| 学名 | Takydromus tachydromoides |
| 全長 | 15〜27cm(尾が全長の約3分の2を占める) |
| 体重 | 約3〜10g |
| 寿命 | 野生3〜5年・飼育下では7年以上も |
| 分布 | 北海道〜九州(日本全国) |
| 生息環境 | 草地・林の縁・庭・公園など日当たりの良い場所 |
| 食性 | 肉食性(昆虫・クモ・ミミズなど) |
| 活動時期 | 春〜秋(変温動物のため冬は冬眠) |
「カナヘビ」という名前は、「可愛いヘビ」が転じたという説や、「金色のヘビ」が由来という説など諸説あります。ヘビという名前がついていますが、れっきとしたトカゲの仲間です。
バスキング(日光浴)の習性
カナヘビは変温動物です。哺乳類のように自分で体温を作り出すことができないため、外部の熱を利用して体温を上げる必要があります。これが「バスキング(日光浴)」と呼ばれる行動です。
野生では朝一番に石の上や木の枝などに出てきて、体を平たくして日光を最大限に浴びる姿がよく見られます。体温が上がることで消化機能が活発になり、動きも素早くなります。
バスキングスポット(ホットスポット)の温度は32〜35℃が目安です。石や流木をバスキングライトの真下に置いてあげると、野生に近い行動が観察できます。朝にライトをつけたとき、真っ先にバスキングスポットに向かう姿はとても可愛いですよ。
自切とは?尻尾が切れる仕組みと再生
カナヘビの最も有名な習性のひとつが「自切(じせつ)」です。天敵に尻尾をつかまれたとき、自ら尻尾を切り離して逃げる防衛行動です。切り離された尻尾はしばらくの間ピクピクと動き続け、天敵の注意を引きつける役割を果たします。
自切の仕組み
カナヘビの尻尾の骨(尾椎)には「自切面」と呼ばれる切れやすい部分があります。強い刺激を受けると、この部分の筋肉が収縮して尻尾を切り離します。骨が折れるのではなく、骨の中の特定の場所から分離する仕組みになっています。
尻尾の再生
切れた尻尾は数ヶ月かけて再生しますが、元の尾と全く同じにはなりません。再生した尾には以下のような違いがあります。
| 元の尾 | 再生した尾 | |
|---|---|---|
| 骨格 | 尾椎(骨) | 軟骨(やわらかい) |
| 長さ | 元の長さ | やや短め |
| 色・模様 | 体と同じ模様 | 単色・くすんだ色 |
| 自切 | 再び自切が可能 | 自切できないことが多い |
無理に尻尾をつかんだり、ストレスを与えると自切することがあります。自切自体は命に関わりませんが、カルシウムやエネルギーを大量に消費するため、再生中はカルシウムの補給を特に意識しましょう。
冬眠の時期と飼育下での管理
カナヘビは変温動物のため、気温が低下する冬の間は活動を停止して冬眠します。野生では落ち葉の下や土の中に潜り込んで春まで眠ります。
飼育下では冬眠させる?させない?
飼育下では、温度管理によって冬眠させないで通年活動させることが可能です。初心者の方には冬眠させない管理のほうがリスクが少なくおすすめです。冬眠中に死亡してしまうケースも少なくないためです。
バスキングライトとUVBライトを引き続き1日10〜12時間点灯し、ケージ内温度を20℃以上に保ちます。パネルヒーターを底面に敷くと夜間の保温に効果的です。
繁殖・産卵について
カナヘビの繁殖シーズンは春から夏(4〜7月頃)です。オスはメスを追いかけ、交尾を行います。交尾後、メスは2〜3週間後に産卵します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 繁殖シーズン | 4〜7月頃 |
| 1回の産卵数 | 2〜6個 |
| 年間産卵回数 | 2〜4回 |
| 孵化までの期間 | 約45〜60日(温度によって変わる) |
| 孵化時の全長 | 約6〜7cm |
産卵されたら卵をそっと取り出し、上下を変えないように別の容器に移します。床材(バーミキュライトなど)を適度に湿らせた状態で28〜30℃に保つと孵化率が上がります。
ニホントカゲとの見分け方
カナヘビとニホントカゲは混同されることがよくありますが、全く別の種類です。見分け方のポイントを整理しました。
- 鱗がざらざら、キール(稜)あり
- 体が細長く、尾がとても長い
- 全体的に茶褐色
- 幼体も成体と似た色
- 動きがすばしこい
- 草の上をよく移動する
- 鱗がつるつる、光沢あり
- 体がずんぐりして尾が太め
- 成体は褐色・黒褐色
- 幼体は青い尾が特徴的
- 比較的おっとりした動き
- 地面の穴に潜ることが多い
最もわかりやすい見分け方は鱗の質感です。カナヘビは触るとざらざらしていますが、トカゲはすべすべしています。また幼体のニホントカゲは鮮やかな青い尾が特徴なので、一目で見分けられます。