カナヘビの食性と餌の基本
ニホンカナヘビは完全な昆虫食(肉食性)です。野生では小さな虫を自分で捕まえて食べています。飼育下では生きた昆虫を主食として与えることが基本で、動いているものにしか反応しない個体がほとんどです。
① 生きていること:死んだ虫は基本的に食べません。ピンセットで動かすと食べる場合もあります。
② ちょうどよいサイズ:頭の横幅より小さい餌を選びましょう。大きすぎると誤飲や消化不良の原因に。
③ 栄養バランス:昆虫だけでは栄養が偏ります。カルシウムパウダーとビタミン添加が必須です。
また、カナヘビは変温動物なので体が温まっていないとちゃんと消化できません。うちはバスキングランプを浴びてしばらく経ったタイミングで餌を出すようにしています。あと給餌の前は必ずピンセットで口元の前を軽くフリフリして反応を見るようにしていて、これだけで「今日は食う/食わない」の判断がだいぶ楽になります。
うちでは近くの爬虫類ショップでコオロギやミルワームを買いつつ、公園や畑で子供と一緒にバッタやコオロギを採ってきて与えることもあります。野外採集は子供にとっても楽しいイベントで、飼育の一部として親子で楽しんでいます。ただし農薬がかかっていない場所を選ぶのは大前提です。
おすすめ餌ランキング
第1位:フタホシコオロギ・ヨーロッパイエコオロギ
うちの主食もこれです。動きが派手なのでカナヘビの食いつきが分かりやすく、サイズ展開も豊富なので幼体から成体まで通せます。鳴き声と独特のにおいは確かにありますが、玄関で飼っている自分の環境でも気になるレベルではありませんでした。フタホシのほうが栄養価は高めで、イエコのほうが扱いやすい印象です。
第2位:デュビア(アルゼンチンモリゴキブリ)
コオロギと並ぶ二大主食候補です。タンパク質・カルシウム比率が高く、動きが緩やかなため幼体や食欲が落ちた個体にも与えやすい。鳴き声がなく、共食いもしないため管理が楽です。見た目に抵抗がなければぜひ試してほしい優秀な餌です。
第3位:ワラジムシ
ダンゴムシの仲間で、カルシウム含有量がとくに高い優秀な餌です。湿った落ち葉などで自家繁殖もできるため、長期的なコスト削減に役立ちます。一部の個体は好まない場合もあるため、他の餌と組み合わせて使うのがおすすめです。
第4位:ミルワーム
うちでも常備しているサブ枠です。保存しやすく、コオロギを切らした時に頼れるのが大きい。ただ脂肪が多いので、これだけにすると体型がぽってりしてくるのが目に見えて分かります。コオロギの合間にちょこちょこ混ぜるくらいがちょうどいいです。
第5位:ハニーワーム(ハチノスツヅリガ幼虫)
カナヘビが最も好む餌のひとつで、拒食中の個体に与えると食欲を取り戻すことがあります。ただし非常に高カロリーなため、通常時は月に数回程度のご褒美として使いましょう。
カルシウム添加(ダスティング)の方法
昆虫だけ食わせ続けるとカルシウムとビタミンD3が足りなくなり、最終的にクル病に向かいます。「毎回ダスティング」が定石ですが、うちは現実的なところで週1ペースでカルシウムパウダーをまぶしています。UVBをきちんと当てている前提でこの頻度に落ち着きましたが、不安なら毎回でも問題ありません(量を控えめにすれば過剰摂取のリスクは下げられます)。実はうちでは子供が毎回ダスティングをやりたがるので、過剰にならないかちょっとヒヤヒヤしています(笑)。量を控えめにすることで調整中です。
① 小さなカップや袋に餌の昆虫を入れる
② カルシウムパウダーを少量振りかける
③ 軽く振って昆虫全体にパウダーをまぶす
④ すぐにケージに入れて給餌する(時間が経つとパウダーが落ちる)
| サプリメント | 種類 | 頻度の目安 | 効果 |
|---|---|---|---|
| カルシウムパウダー(D3入り) | 必須 | 毎回の給餌 | クル病予防・骨格形成 |
| マルチビタミン | 必須 | 週1〜2回 | 総合的な栄養補助 |
| カルシウムパウダー(D3なし) | 補助 | D3入りの間に使用 | カルシウム補給(UVBあり環境向け) |
D3入りカルシウムパウダーを与えすぎると、ビタミンD3の過剰摂取(高カルシウム血症)を引き起こす可能性があります。UVBライトをしっかり当てている場合は、D3なしのカルシウムパウダーをメインに使い、D3入りは週1〜2回に抑えましょう。
給餌頻度と量の目安
カナヘビの給餌頻度は成長ステージによって異なります。幼体期はしっかり食べさせて成長を促し、成体になったら食べすぎによる肥満を防ぐことが大切です。
| 成長ステージ | 給餌頻度 | 1回の量の目安 |
|---|---|---|
| 幼体(孵化〜3ヶ月) | 毎日 | 3〜5匹(SSサイズ昆虫) |
| 亜成体(3〜6ヶ月) | 1〜2日に1回 | 3〜5匹(Sサイズ昆虫) |
| 成体(6ヶ月以上) | 2〜3日に1回 | 3〜5匹(S〜Mサイズ昆虫) |
| 産卵前後のメス | 毎日〜1日おき | 多めに与える |
ケージ内に生き餌を放置すると、昆虫がカナヘビを噛む・ストレスを与えるトラブルが発生します。15〜20分経っても食べないようなら餌を取り出しましょう。
コオロギの後足にはギザギザがあり、そのまま与えるとカナヘビの消化管に引っかかって消化不良を起こすことがあるそうです。また、ケージ内に放置したコオロギがカナヘビを噛んでしまい、それ以降コオロギを一切食べなくなったというケースも耳にします。生き餌の放置は思った以上にリスクが大きいです。
うちでも拒食を経験したことがあります。いろいろ餌を変えて試しましたが何をやっても食べてくれませんでした。焦りますが、カナヘビは数日〜1週間くらい食べなくても大丈夫な場合が多いです。人工飼料は食べてくれた個体もいたので、生き餌を拒否するときに試してみる価値はあります。
餌のサイズの選び方
餌のサイズ選びは非常に重要です。大きすぎる餌を与えると消化管閉塞や吐き戻し、最悪の場合は死亡につながることがあります。
長めのピンセットで餌をつかみ、口元の前で軽くフリフリして反応を見てから渡しています。手をケージに突っ込むと逃げられるので、長ピンセットは思った以上に効きます。フリフリで反応が薄い日は無理に置き餌せず、その日はパスして翌日にまわすことも多いです。
カナヘビの頭の横幅(目と目の間の幅)以下のサイズを選ぶのが基本です。それより大きいものは与えないようにしましょう。
| カナヘビの体長 | おすすめの餌サイズ |
|---|---|
| 孵化直後〜5cm | コオロギSSサイズ(体長3〜5mm)、ショウジョウバエ |
| 5〜10cm | コオロギSサイズ(体長7〜10mm) |
| 10cm以上 | コオロギS〜Mサイズ(10〜15mm) |
与えてはいけない餌
うちは近所で虫を採ってくることもありますが、採取場所は農薬・除草剤がかからない範囲を選んでいます。これを外すと一気にリスクが跳ね上がるので、野外採集をする方は採る場所を一度見直すことをおすすめします。以下は必ず避けてください。
❌ ハチ・アブ類:針や毒腺があり危険です。
❌ 農薬・除草剤がかかった場所の虫:農薬が体内に蓄積し死亡する危険があります。
❌ ミミズ(単体での多給):チアミン(ビタミンB1)を分解する酵素を持つため、主食には不向きです。少量なら問題ありません。
❌ 野生採集の虫(農薬地帯・工場周辺):重金属汚染・農薬のリスクがあります。
・カナヘビの頭サイズ以上の虫はあげない:物理的に飲み込めない・喉に詰まる
・大きいコオロギの後ろ足は注意:聞いた話ですが、消化不全を起こす可能性があるそうです。心配なら給餌前に後ろ足を取ってから与えるのも手
実体験ベースだと、サイズさえ間違えなければ大きなトラブルなく給餌できています。