カナヘビの食性と餌の基本

ニホンカナヘビは完全な昆虫食(肉食性)です。野生では小さな虫を自分で捕まえて食べています。飼育下では生きた昆虫を主食として与えることが基本で、動いているものにしか反応しない個体がほとんどです。

カナヘビの餌選びで大切な3つのポイント
生きていること:死んだ虫は基本的に食べません。ピンセットで動かすと食べる場合もあります。
適切なサイズ:頭の横幅より小さい餌を選びましょう。大きすぎると誤飲や消化不良の原因に。
栄養バランス:昆虫だけでは栄養が偏ります。カルシウムパウダーとビタミン添加が必須です。

また、カナヘビは変温動物のため、体温が上がっていないと消化ができません。バスキング(日光浴)後など体が温まっているタイミングで給餌するのが理想です。

おすすめ餌ランキング

第1位:フタホシコオロギ・ヨーロッパイエコオロギ

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コオロギ(フタホシ・イエコオロギ)
栄養バランス◎ 入手しやすい 食いつき◎ 鳴き声・臭いあり

カナヘビの主食として最も定番の餌です。タンパク質・脂質・水分のバランスが良く、カナヘビが本能的に好む動きをします。フタホシコオロギはやや栄養価が高く、ヨーロッパイエコオロギは臭いが少なめです。爬虫類専門店やネットショップで購入できます。

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コオロギ(爬虫類餌用)
カナヘビの主食。サイズ別で幼体から成体まで対応。
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第2位:デュビア(アルゼンチンモリゴキブリ)

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デュビア
栄養価◎ 鳴き声なし 共食いしない ゴキブリ感が苦手な人も

コオロギと並ぶ二大主食候補です。タンパク質・カルシウム比率が高く、動きが緩やかなため幼体や食欲が落ちた個体にも与えやすい。鳴き声がなく、共食いもしないため管理が楽です。見た目に抵抗がなければぜひ試してほしい優秀な餌です。

第3位:ワラジムシ

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ワラジムシ
カルシウム豊富 自家繁殖可能 コスパ最強 食いつき個体差あり

ダンゴムシの仲間で、カルシウム含有量がとくに高い優秀な餌です。湿った落ち葉などで自家繁殖もできるため、長期的なコスト削減に役立ちます。一部の個体は好まない場合もあるため、他の餌と組み合わせて使うのがおすすめです。

第4位:ミルワーム

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ミルワーム
食いつき◎ 保存しやすい 脂肪分が高い 主食には不向き

食いつきが非常に良く、好まない子がほとんどいない人気の餌です。ただし脂肪分が高く、主食として与え続けると肥満や栄養偏りの原因になります。週1〜2回の補助食・おやつとして活用しましょう。

第5位:ハニーワーム(ハチノスツヅリガ幼虫)

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ハニーワーム
嗜好性最高 拒食時に有効 高カロリー 価格高め

カナヘビが最も好む餌のひとつで、拒食中の個体に与えると食欲を取り戻すことがあります。ただし非常に高カロリーなため、通常時は月に数回程度のご褒美として使いましょう。

カルシウム添加(ダスティング)の方法

カナヘビは昆虫だけを食べていると、カルシウム不足やビタミンD3不足からクル病(骨の変形・軟化)を発症するリスクがあります。給餌のたびにカルシウムパウダーを添加(ダスティング)することが長期飼育の鉄則です。

ダスティングの基本手順
① 小さなカップや袋に餌の昆虫を入れる
② カルシウムパウダーを少量振りかける
③ 軽く振って昆虫全体にパウダーをまぶす
④ すぐにケージに入れて給餌する(時間が経つとパウダーが落ちる)
サプリメント 種類 頻度の目安 効果
カルシウムパウダー(D3入り) 必須 毎回の給餌 クル病予防・骨格形成
マルチビタミン 必須 週1〜2回 総合的な栄養補助
カルシウムパウダー(D3なし) 補助 D3入りの間に使用 カルシウム補給(UVBあり環境向け)
⚠️ ビタミンD3の過剰摂取に注意
D3入りカルシウムパウダーを与えすぎると、ビタミンD3の過剰摂取(高カルシウム血症)を引き起こす可能性があります。UVBライトをしっかり当てている場合は、D3なしのカルシウムパウダーをメインに使い、D3入りは週1〜2回に抑えましょう。

給餌頻度と量の目安

カナヘビの給餌頻度は成長ステージによって異なります。幼体期はしっかり食べさせて成長を促し、成体になったら食べすぎによる肥満を防ぐことが大切です。

成長ステージ 給餌頻度 1回の量の目安
幼体(孵化〜3ヶ月) 毎日 3〜5匹(SSサイズ昆虫)
亜成体(3〜6ヶ月) 1〜2日に1回 3〜5匹(Sサイズ昆虫)
成体(6ヶ月以上) 2〜3日に1回 3〜5匹(S〜Mサイズ昆虫)
産卵前後のメス 毎日〜1日おき 多めに与える
食べ残しはすぐに取り出そう
ケージ内に生き餌を放置すると、昆虫がカナヘビを噛む・ストレスを与えるトラブルが発生します。15〜20分経っても食べないようなら餌を取り出しましょう。

餌のサイズの選び方

餌のサイズ選びは非常に重要です。大きすぎる餌を与えると消化管閉塞や吐き戻し、最悪の場合は死亡につながることがあります。

餌サイズの基本ルール
カナヘビの頭の横幅(目と目の間の幅)以下のサイズを選ぶのが基本です。それより大きいものは与えないようにしましょう。
カナヘビの体長 おすすめの餌サイズ
孵化直後〜5cm コオロギSSサイズ(体長3〜5mm)、ショウジョウバエ
5〜10cm コオロギSサイズ(体長7〜10mm)
10cm以上 コオロギS〜Mサイズ(10〜15mm)

与えてはいけない餌

カナヘビに与えると危険な餌があります。以下は必ず避けてください。

❌ カメムシ・テントウムシ・ナナホシテントウ:毒性・刺激性の分泌物を持ちます。

❌ ハチ・アブ類:針や毒腺があり危険です。

❌ 農薬・除草剤がかかった場所の虫:農薬が体内に蓄積し死亡する危険があります。

❌ ミミズ(単体での多給):チアミン(ビタミンB1)を分解する酵素を持つため、主食には不向きです。少量なら問題ありません。

❌ 野生採集の虫(農薬地帯・工場周辺):重金属汚染・農薬のリスクがあります。

よくある質問

カナヘビが餌を食べません。どうすればいいですか?
まず体温(バスキング)が十分かを確認しましょう。体が温まっていないと消化も食欲もなくなります。次に餌のサイズを小さくするか種類を変えてみてください。また脱皮前後は食欲が落ちることがあります。数日食べなくても即座に心配する必要はありませんが、2週間以上の拒食が続く場合は要注意です。
コオロギとデュビア、どちらを選べばいいですか?
どちらも優秀な主食です。コオロギは食いつきが抜群で入手も簡単ですが、管理がやや手間です。デュビアは鳴き声なし・共食いなしで管理が楽ですが、ゴキブリが苦手な方には難しいかもしれません。可能であれば両方を交互に与えると栄養バランスが良くなります。
野生で捕まえた虫を与えても大丈夫ですか?
農薬のかかっていない安全な場所(公園・山林など)で採取した虫は基本的に問題ありません。ただし、寄生虫を持っている可能性があるため、定期的に糞を観察し異常がないか確認しましょう。ショップで購入した餌のほうが安心です。
カルシウムパウダーはどのくらいつければいいですか?
虫の体表面が薄っすら白くなる程度で十分です。たっぷりつけすぎると虫が動きにくくなり、食いつきが悪くなることがあります。少量をまんべんなくまぶすのがコツです。